一般的な職場では、職場恋愛が発生した場合に責められるケースは少ないでしょう。しかし、風俗業界では、スタッフとキャストの恋愛はほとんどの場合禁止されており、恋愛関係に発展した場合、解雇などの処分を受ける可能性もあります。

一方でスタッフはキャストの体調や悩みに気を配り、信頼関係を構築することが必要です。恋愛関係への発展を避けながら、ビジネスパートナーとしての関係を築くには、適切な距離感の保ち方を覚えるとよいでしょう。

この記事では風俗スタッフがキャストと恋愛関係になった場合のデメリットや、恋愛関係になろうとする「地雷嬢」の見分け方、距離感の保ち方を解説します。

基本的に風俗業界では、風俗スタッフとキャスト（風俗嬢）の風紀は禁止とされています。風紀とは風俗の業界用語の1つで、スタッフとキャストが恋愛をしたり、肉体関係を持ったりするのを指す言葉です。

風紀が禁止されているのは、風俗店の運営において多くのデメリットがあることが理由です。風紀によって起こりうるデメリットを解説します。

スタッフとキャストが恋愛関係になったと分かると、キャストはお客様からの人気を失ってしまい、仕事に支障が出ます。関係を隠して付き合っていたとしても、噂は自然と流れてしまいます。

風俗店へ通うお客さまは、高額なお金を支払い、キャストと疑似的な恋愛関係になることを楽しんでいます。スタッフとキャストが恋愛関係にあると分かったお客様の中には、別のキャストへ乗り換えたり、お店を変えてしまったりする方もいるでしょう。その場合、キャストは獲得できるはずだった売り上げを失ってしまいます。

また、恋愛関係が終わってしまった場合、気まずさからカップルのどちらかがお店を離職してしまうケースがあります。お店が離職したキャストやスタッフの穴を埋める人材を雇うには、時間とお金が余分に必要です。これらの問題を避けるため、多くの風俗店ではスタッフとキャストの風紀を禁じています。

スタッフとキャストが恋愛関係にあると、スタッフ側がキャストをひいきしてしまい、他のキャストのモチベーションを下げる恐れがあります。優先的に新規のフリー客をつける、特定のキャストに優しくするなどのひいきは、周囲のキャストは不満を感じるでしょう。結果として職場の空気が悪くなり、サービスの質の低下や離職を招きます。

たとえスタッフ側が平等に対応しているつもりでも、恋愛関係にあるキャストへのちょっとした気づかいがひいきと見られ、人間関係を悪化させるケースもあります。

お店によっては、風紀が発覚した際にお店から罰則を受けるところもあります。罰則の内容は、高額な罰金や即時解雇など、お店によって異なります。ただし、罰金については、法的な支払い義務は存在しません。

風紀に対して罰金や解雇などが誓約書に書かれるのは、主として「やってはいけない行為」という印象を与える、抑止力としての役割が期待されているためです。お店にとって風紀はそれだけ大きな損害になりうるリスクであることを理解し、避けましょう。

風紀が禁止されている店舗で、スタッフと恋愛関係になろうとするキャストは「地雷嬢」と呼ばれます。

風俗スタッフは業務上必要な範囲で、キャストとコミュニケーションを取り、健康管理などを行います。しかし、仕事上の気づかいと恋愛関係を勘違いしてしまい、スタッフに好意を抱く女の子もいます。また、スタッフと恋愛関係になることでひいきしてもらい、売り上げアップを狙う女の子もゼロではありません。

ただし、基本的に地雷嬢はほとんど存在せず、キャストはスタッフと適切な距離感を保とうとしています。

地雷嬢に注意するのと同じく、自分が「地雷男」になっていないかも注意しましょう。キャストからの仕事上の気づかいを好意と勘違いし、「あのキャストは自分のことが好きだ」と思い込むスタッフは、トラブルの発生源になります。必要な距離感をお互いに保ちながら仕事を行いましょう。

地雷嬢を最初から見分けるのは難しいです。気をつけてチェックしたいポイントは以下です。

風俗スタッフとして働く中で、キャストと信頼関係を築くのは非常に大切です。信頼関係を保ちながら、恋愛関係になることを避けるには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。

お店のキャスト全員と良好な関係を保ち、お店の利益を上げていくためにもポイントを理解しておきましょう。

風俗スタッフは特定のキャストと親しくならず、適度な距離感を保って全員と平等にコミュニケーションを取るのが必要です。

スタッフの給料はキャストがお客さんを接客し、得た売り上げから支払われています。キャストが気持ちよく働けるように悩みなどを把握し、労いの言葉や褒め言葉をかけてあげることはある程度必要です。また、シフト管理を行う上で、ある程度キャストの個人的事情を斟酌する場面も出てくるでしょう。

一方で、いずれかのキャストに対して過度に干渉すると、恋愛関係に発展する可能性が生まれるだけでなく、他のキャストのモチベーションを下げてしまいます。また、キャストを「ちゃん」付けで呼ぶこともキャストによっては距離感が近すぎると感じてしまうので「さん」付けが無難です。キャストと会話するときには、120～140センチの距離感を保ち、相手のパーソナルスペースを侵害しないようにしましょう。

あくまで同じ職場で働いているビジネスパートナーであるという点を自覚し、仕事を行えば、恋愛関係になりません。

キャストから恋愛を持ちかけられたときは、断った上でお店に相談しましょう。

キャストにはまず、「風紀は禁止されている」「風紀が発覚すると罰金などの罰則がある」というお店の基本ルールをきちんと伝えてください。断るときには、女の子が嫌いで断るわけではないという点も合わせて伝えるのがおすすめです。

その上で、店長などの責任者に恋愛を持ちかけられたことを伝えましょう。風紀はお店の利益に大きく関わってくるため、上司は真剣に相談に乗ってくれ、問題が起こる前に未然に対処できます。

スタッフがキャストと意図的に恋愛関係になる「色管理（色恋管理）」は、風俗業界においてやってはいけない行為の1つです。

色管理とは、キャストが男性スタッフを好きになるように仕向けて、自分の評価や利益を上げるために都合よく動かすことです。色管理によって、女性キャストのモチベーションは短期的には上がる可能性があります。

ただし、色管理は長期的にはキャストとの信頼関係を失い、お店に多大な損害を与え、お客様が離れる行為です。キャスト・お店側・お客様、いずれにとっても、恋愛関係ではなく信頼関係を構築し、業務を行うスタッフが好ましいことを理解しましょう。

風俗業界ではスタッフとキャストの恋愛は「風紀」と呼ばれ、多くの場合禁止されています。恋愛関係になると、仕事に支障が出る、他のキャストのモチベーションが下がるなどのデメリットがあるだけでなく、お店から罰則を受ける可能性もあります。お店に損害を与える行為のため、恋愛関係になるのは避けましょう。

恋愛関係を避けるには、適切な距離感を保ち、特定のキャストと親しくならない平等なコミュニケーションをとることが大切です。もしキャストから恋愛を持ちかけられた場合は、相手を傷つけないような形で断り、お店に相談するのがおすすめです。また、色管理はけして行わないようにしましょう。